大葉|夏の食卓に添えたい、香りの野菜
そうめんに添えたり、冷奴にのせたり、お刺身と一緒に食べたり。
夏になると、何気なく食卓に登場する大葉。
「さっぱりしているから、夏にぴったり」
そんなイメージがありますよね。
でも薬膳の視点から見てみると、大葉にはちょっと意外な一面があります。
🌿 大葉ひと目メモ
食材名:大葉(青じそ)
五性:温
五味:辛
帰経:肺・脾
旬:初夏〜夏
ポイント:香りを楽しみながら、いつもの料理に取り入れやすい香味野菜
こんな日に:冷たいものが続いた日、食欲がいまひとつの日など
いつもの食べ方:冷奴、そうめん、納豆、ごはん、味噌汁、肉・魚料理の薬味に
※五性・五味・帰経は、中医学・薬膳で食材の性質を捉えるときに使われる考え方です。
夏の食材なのに「温」
夏によく食べる大葉。
なんとなく「体を冷ましてくれそう」と思っていたのですが、薬膳では**「温」**に分類されます。
夏に食べるものが、すべて体を冷ます食材というわけではないんですね。
暑い季節には、そうめん、冷奴、冷たい飲み物など、ひんやりしたものが増えがちです。
そんな食卓に大葉を少し添える。
「暑いから、とにかく冷たいもの」ではなく、いろいろな性質を持つ食材を組み合わせる。
そんなところにも薬膳のおもしろさがあります。
大葉の魅力は、やっぱり「香り」
大葉を刻んだ瞬間に、ふわっと広がる香り。
私は、大葉のいちばんの魅力はここにあると思います。
薬膳では、しそは「気」の巡りに関わり、胃腸の働きを助ける食材として考えられています。
暑くて、なんとなく食欲がわかない。
冷たいものが続いて、お腹がすっきりしない。
そんな日の食卓に、大葉の香りを少し加えてみる。
「体にいいから、たくさん食べなくちゃ」ではなく、
香りを楽しむくらいから。
それなら毎日の食卓にも取り入れやすいですね。
いつもの食卓なら、どう使う?
特別な「薬膳料理」を作る必要はありません。
たとえば、
- 冷奴に刻んでのせる
- そうめんやそばの薬味にする
- 納豆に混ぜる
- おにぎりや混ぜごはんに
- 肉や魚に添える
- 味噌汁の仕上げに加える
冷蔵庫に大葉があったら、
「今日は何に入れようかな」
そのくらい気軽に使ってみる。
それも立派な、毎日の養生だと思います。
「暑いから冷やす」だけじゃない
夏は暑さが厳しく、体にこもった熱を上手に逃がしたい季節。
だから、体の熱を冷ます性質を持つ食材を取り入れることもあります。
でも、毎日の食事を「冷ますもの」だけでそろえる必要はありません。
大葉のような温性の香味野菜を添えることもできます。
大切なのは、
「今日は何を食べたらいい?」と、自分の体や食卓をちょっと眺めてみること。
薬膳は、正解どおりに食べるためのものではなく、そんな小さな気づきをくれるものなのかもしれません。
🥕 栄養のことも少しだけ
ここからは薬膳とは分けて、現代の栄養学から大葉を見てみましょう。
大葉(しそ・葉・生)には、β-カロテン、ビタミンK、カルシウム、カリウムなどが含まれています。
ただし、食品成分表に示される栄養価は基本的に可食部100g当たりです。
大葉は、一度に100gも食べるような野菜ではありません。
ですから、
「大葉を数枚食べれば、たくさんの栄養が摂れる」
と考えるより、
香りや彩りを添えて、いつもの食事を楽しませてくれる野菜のひとつ
として取り入れるくらいがちょうどよさそうです。
🌿 今日の食卓で、一つだけ
冷奴でも、そうめんでも、納豆でも。
今日はいつもの一品に、
大葉を一枚、加えてみませんか?
薬膳は、特別な食材をそろえるところから始めなくてもいい。
いつも食べているものを、ほんの少し違った目で見てみる。
「ゆるり薬膳部」の食材図鑑では、そんな身近な食材を一つずつ見ていきたいと思います。



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