舌をじっくり見たことはありますか?
毎日、歯を磨くときに鏡は見るけれど、舌の色や形まで気にして見ることは、意外と少ないかもしれません。
けれど中医学では、舌の色や形、舌苔なども、そのときの体の状態を考える手がかりのひとつとして大切にされています。
「昨日と少し違うかも」
そんな小さな変化に気づくことも、自分の体を知るきっかけになります。
そこで、ゆるり養生では
**「舌からのお便り」**というシリーズを作りました。
舌から届く、小さなお便り
舌はいつも同じではありません。
食べたものや体調、時間帯などによっても、色や舌苔の状態は変化します。
だから、このシリーズは、
「この舌だから、あなたはこの体質です」
と診断するためのものではありません。
鏡を見たときに、
「今日は舌に歯のあとがついているな」
「いつもより舌苔が厚い気がする」
「なんだか色が淡いな」
と、まずは今の自分に気づくこと。
そこから、中医学やアーユルヴェーダの考え方を少し知って、毎日の過ごし方を振り返る。
そんなきっかけになればと思っています。
あなたの舌に近いものはありますか?
今回の「舌からのお便り」は、7つの舌の状態からスタートします。
歯のあとがついていませんか?

舌のふちに、ギザギザと歯のあとがついている舌。
中医学では「歯痕」と呼ばれます。
舌がむくんで大きくなっているときなどに見られることがあり、「気」の不足や、中医学でいう「脾」の働きなどを考える手がかりのひとつになります。
舌の両脇が赤くなっていませんか?

舌の中央よりも、両脇の赤みが目立つ舌。
中医学では、舌の両脇は「肝・胆」と関係する場所と考えます。
両脇の赤みは、「肝」に熱がこもっている状態などを考える手がかりのひとつです。
白く厚い舌苔がついていませんか?

白い舌苔が厚く、舌もぽってりと大きく見える。
中医学では、こうした舌の状態から「痰湿」などを考えることがあります。
体内の水分などがうまく巡らず、余分なものが停滞している状態を考える手がかりのひとつです。
赤く、ひび割れていませんか?

舌が赤く、表面にひび割れがあり、舌苔が少ない、またはほとんど見られない。
こうしたいくつかの特徴が重なっているとき、中医学では「陰虚」を考える手がかりのひとつになります。
「陰」は、体をうるおし、熱を鎮める働きをもつものと考えます。
青紫色や、暗い斑点がありませんか?

舌全体が青紫っぽく見えたり、暗い色の斑点が見られたりする舌。
中医学では「瘀血(おけつ)」などを考える手がかりのひとつです。
「瘀血」とは、「血」の巡りが滞っている状態をいいます。
舌の色が淡く、細く見えませんか?

舌の色が淡く、さらに細く痩せて見える。
このような組み合わせは、中医学で「血虚」などを考える手がかりのひとつです。
ただし、淡い舌だけで血虚と判断するわけではありません。
舌の厚みや潤い、舌苔なども一緒に見ていきます。
舌苔が黄色っぽくなっていませんか?

いつもは白っぽい舌苔が、黄色みを帯びている。
中医学では、黄色い舌苔は「熱」を考える手がかりのひとつとされています。
さらに、舌苔が厚く、べたついて見える場合には「湿熱」なども考えます。
中医学だけではなく、アーユルヴェーダの視点も
「舌からのお便り」では、中医学を中心にしながら、アーユルヴェーダの視点も少し取り入れています。
アーユルヴェーダでも、舌は体の状態を観察する手がかりのひとつ。
ただし、舌だけを見て、
「あなたはこのドーシャ」
と決めるものではありません。
舌の色や形、舌苔などとともに、食欲や消化、排泄、睡眠、心身の状態なども合わせて見ていきます。
違う考え方を無理に一つにするのではなく、
「こんな見方もあるんだ」
と、自分の体を知るヒントのひとつとして楽しんでもらえたらと思っています。
まずは「気づく」ことから
体調を整えようと思うと、
「何を食べたらいい?」
「何をすればいい?」
と、すぐに何かを始めたくなることがあります。
でも、その前に。
今の自分はどうなんだろう?
と観察してみることも、養生のひとつではないでしょうか。
舌を見るのに、特別な道具はいりません。
鏡があれば大丈夫。
毎日細かくチェックしなくても、ふと朝の習慣として見てみる。
「今日はこんな感じなんだな」
と気づく。
「舌からのお便り」が、そんなふうに自分の体に目を向ける小さなきっかけになりますように。
※舌の状態は、体調・食事・時間帯などによっても変化します。舌だけで病気や体質を判断するものではありません。気になる症状や舌の変化が続く場合は、医療機関などの専門家にご相談ください。


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