ゆるり薬膳部|食材図鑑 No.3 しょうが

食材図鑑 食材図鑑

しょうが|「体を温める」だけじゃない、いつもの香味野菜

冷奴の薬味にしたり、炒め物に加えたり。

寒い日には、しょうがを入れた温かい飲み物が恋しくなることもあります。

しょうがと聞くと、

「体を温める食材」

というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

もちろん、それもしょうがの一面。

でも薬膳の視点から見てみると、いつも使っている生のしょうがと、乾燥させたしょうがでは、少し違った捉え方をします。

今回は、そんな身近なしょうがを見てみましょう。


🌿 しょうが ひと目メモ

食材名:しょうが(生姜)
五性:温(微温)
五味:辛
帰経:肺・脾・胃
:8〜11月ごろ
ポイント:辛味と香りを持ち、料理にも薬味にも使いやすい食材
こんな日に:冷えを感じるとき、食欲がいまひとつのとき、冷たいものが続いたときなど
いつもの食べ方:薬味、味噌汁、スープ、煮物、炒め物、炊き込みごはんなど

※五性・五味・帰経は、中医学・薬膳で食材の性質を捉えるときに使われる考え方です。


しょうがは、やっぱり「温」の食材

薬膳では、生のしょうがは「温(微温)」、五味は「辛」とされています。

冷奴やそうめんの薬味にも使うので、夏にもおなじみですよね。

暑い季節に温性のしょうが?

と思うかもしれません。

でも、大葉やみょうがと同じように、夏の食卓は冷たいものが増えがちです。

そんな食事に、しょうがを薬味として少し添える。

冷ますものと温めるものを、食卓の中で上手に組み合わせる。

「暑いから冷たいものだけ」と考えないところも、薬膳のおもしろさです。


「食欲がないな」という日にも

薬膳では、生姜には胃を温め、吐き気を抑える「温胃止嘔」という働きがあるとされています。

しょうがを刻んだり、すりおろしたりしたときの、あの香りと辛味。

暑さでなんとなく食欲がない日にも、薬味として少し加えると、いつもの料理の印象が変わります。

冷奴に少し。

そうめんに少し。

味噌汁やスープに少し。

「しょうがを食べなくちゃ」ではなく、

今日はしょうがを少し加えてみようかな。

そのくらいでいいと思います。


生のしょうがと「乾姜」は同じ?

ここが、しょうがのおもしろいところです。

薬膳・中医学では、生のしょうがを生姜(しょうきょう)、生姜の根茎を乾燥させたものを**乾姜(かんきょう)**として区別します。

生姜

五性:温(微温)
五味:辛
帰経:肺・脾・胃

生姜は、体の表面にある寒さを散らしたり、胃を温めたりする食材として考えられています。

乾姜

五性:熱
五味:辛
帰経:脾・胃・腎・心・肺

乾姜は、生姜よりも「熱」の性質が強くなります。

乾燥させることで、生のときより発散する力は弱くなる一方、体の内側を温める働きは強くなると考えられています。

同じ「しょうが」なのに、

生なのか、乾燥しているのかで性質の捉え方が変わる。

薬膳を知ると、こんなところも面白く見えてきます。


「しょうが=たくさん食べれば温まる」ではありません

体を温めると聞くと、

「冷えるから、しょうがをたくさん摂ろう」

と思ってしまいそうです。

でも、薬膳では何でも多ければよいとは考えません。

しょうがは辛味と温性を持つ食材です。

体に熱がこもっているようなときや、食べすぎには注意が必要とされています。

特に乾姜は、生姜より熱性が強いもの。

普段の食事で使うしょうがと、薬膳・中医学で使われる乾姜を、まったく同じものとして考えないほうがよさそうです。

その日の自分に合わせて、ほどほどに。

これも養生の大切な考え方です。


いつもの食卓なら、どう使う?

しょうがは、毎日の料理にとても取り入れやすい食材です。

たとえば、

  • 冷奴やそうめんの薬味に
  • 味噌汁やスープに
  • 肉や魚の煮物に
  • 炒め物の香りづけに
  • 炊き込みごはんに
  • 紅茶などの温かい飲み物に少量加える

わざわざ「薬膳料理」を作らなくても、普段の食事の中にしょうがはたくさん登場しています。

改めて見てみると、

「これも養生だったんだ」

と思える食べ方が見つかるかもしれません。


🥕 栄養のことも少しだけ

ここからは薬膳とは分けて、現代の食品成分の話です。

しょうがの特徴的な辛味や香りには、ジンゲロールやショウガオールなどの成分が関係しています。

ただ、しょうがも大葉やみょうがと同じように、一度に大量に食べる食材ではありません。

特定の成分をたくさん摂るためではなく、

香りや辛味を楽しみながら、いつもの料理に少し取り入れる。

そんな付き合い方が、毎日の食卓にはなじみやすそうです。


🌿 今日の食卓で、一つだけ

今日は味噌汁に、

しょうがをほんの少し加えてみませんか?

いつもの味噌汁も、しょうがの香りが加わると少し違った一杯になります。

そして今度しょうがを手に取ったとき、

「生のしょうがと乾燥したしょうがでは、薬膳では捉え方が違うんだったな」

と思い出してみる。

食材をひとつ知るだけで、いつもの食卓がちょっとおもしろくなる。

そんなところから、ゆるりと薬膳を楽しんでいきましょう。

参考図書

この記事を書くにあたり、薬膳における食材の性質や働きについて、以下の書籍を参考にしました。

  ブクログ 参考図書を集めた本箱

コメント

タイトルとURLをコピーしました