醤油|毎日使う調味料を、薬膳の視点から見てみよう
お刺身に少し。
冷奴に少し。
煮物や炒め物、炊き込みごはんにも。
醤油は、毎日の食卓に当たり前のようにある調味料です。
あまりにも身近なので、
「醤油って、薬膳ではどんな食材なんだろう?」
なんて、考えたことがない方も多いかもしれません。
私も調べてみて、ちょっと意外でした。
薬膳では、醤油は**「寒」**に分類されるんです。
今回は、いつもの醤油を薬膳の視点から見てみましょう。
🌿 醤油 ひと目メモ
食材名:醤油
五性:寒
五味:鹹(かん)
帰経:脾・胃・腎
ポイント:毎日の料理に少量ずつ使う、身近な調味料
いつもの使い方:刺身、冷奴、煮物、炒め物、汁物、炊き込みごはんなど
※五性・五味・帰経は、中医学・薬膳で食材の性質を捉えるときに使われる考え方です。
えっ、醤油は「寒」なの?
これまで食材図鑑で見てきた食材は、
大葉は「温」。
みょうがも「温」。
しょうがは「温(微温)」。
そして、お米は「平」。
今回の醤油は、初めての**「寒」**です。
醤油に「冷たい」というイメージはあまりありませんよね。
ここで少し覚えておきたいのが、薬膳でいう「寒」は、食材そのものの温度を表しているわけではないということ。
冷蔵庫から出したから「寒」。
温かい煮物に使ったから「温」。
という意味ではありません。
薬膳では、食材が体に入ったときにどのような性質を持つと考えるのか。
その分類のひとつが五性です。
いつも何気なく使っている醤油にも、そんな見方があると思うと面白いですね。
「鹹」って、なんて読む?
醤油の五味は、「鹹(かん)」。
あまり見慣れない漢字ですね。
五味には、
酸・苦・甘・辛・鹹
の五つがあります。
「鹹」は、塩辛い味を表します。
醤油は塩分を含む調味料なので、「なるほど」と感じやすいかもしれません。
薬膳では五味にもそれぞれ特徴があり、「鹹」は腎との関わりから考えられる味です。
醤油の帰経にも「腎」が含まれています。
ただし、
「腎に関係するから、醤油をたくさん摂ればいい」
という意味ではありません。
ここは大切なところです。
五性を知ったら、「寒いからやめる」?
「醤油は寒性なんだ」
と知ったら、
冷えやすい人は醤油を使わないほうがいいの?
と思うかもしれません。
でも、そんなふうに単純に考えなくてもよさそうです。
醤油は、ごはんや野菜のように一度にたくさん食べるものではありません。
料理の味を整えるために、少量使う調味料です。
しかも実際の食卓では、醤油だけを口にするのではなく、肉や魚、野菜、豆腐など、いろいろな食材と一緒にいただきます。
薬膳は、一つの食材だけを見て食事を決めるものではありません。
食卓全体を眺めてみる。
これも、ゆるり薬膳部で大切にしたい考え方です。
醤油にも「清熱」という考え方
薬膳では、醤油には**「清熱除煩(せいねつじょはん)」**という働きがあるとされています。
難しい言葉ですが、「熱を冷まし、落ち着かない状態を和らげる」といった意味合いで使われる言葉です。
ここでも、
「では、暑い日は醤油をたくさん摂ろう」
とは考えません。
こんな性質を持つ食材として、昔から捉えられてきた。
まずはそのくらいに知っておくと、いつもの調味料を見る目が少し変わります。
いつもの食卓では、どう付き合う?
醤油は日本の食卓には欠かせない調味料のひとつ。
特別な使い方を考えなくても、
- お刺身に少し
- 冷奴に少し
- 煮物の味つけに
- 炒め物の仕上げに
- 炊き込みごはんに
- 汁物の風味づけに
と、すでに毎日の食事に取り入れています。
だからこそ、
「薬膳のために醤油を使う」
のではなく、
いつも使っている醤油にも、薬膳ではこんな見方があるんだ。
そんな気づきで十分だと思います。
🥕 栄養のことも少しだけ
ここからは薬膳とは分けて、現代の栄養の視点から見てみましょう。
醤油にはナトリウムやアミノ酸などが含まれています。
そして、毎日の食事で気をつけたいのが塩分です。
「薬膳ではこんな働きがあるから」といって、醤油をたくさん使う必要はありません。
かけすぎず、使いすぎず。
料理そのものの味や香りも楽しみながら、上手に付き合っていきたい調味料ですね。
「体にいい・悪い」だけで食材を見ない
今回、醤油を調べてみて、
「醤油って寒性なんだ」
という意外な発見がありました。
でも、それ以上に面白いと思うのは、
一つの性質だけで、食材を「いい」「悪い」に分けなくてもいい
ということです。
温める食材もあれば、冷ます食材もある。
そのどちらにも大きく偏らない食材もある。
そして、それらを私たちは毎日の食卓で自然に組み合わせています。
薬膳を知ることは、
「これは食べていい」
「これは食べないほうがいい」
というルールを増やすことではなく、
いつもの食事を見る視点を、ひとつ増やすこと。
そんなふうに楽しめたらいいですね。
🌿 今日の食卓で、一つだけ
今日、醤油を使うときに、
「醤油って薬膳では『寒』なんだ」
と、ちょっとだけ思い出してみませんか?
使う量を増やす必要も、減らす必要もありません。
いつもの食材を、少し違った目で見てみる。
そこから始まる薬膳もあると思います。
参考図書
この記事を書くにあたり、薬膳における食材の性質や働きについて、以下の書籍を参考にしました。
ブクログ 参考図書を集めた本箱


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