豆腐|冷奴?湯豆腐?いつもの豆腐を薬膳の視点から見てみよう
冷奴にして、薬味をたっぷり。
お味噌汁に入れたり、麻婆豆腐にしたり。
寒くなれば、湯豆腐もおいしいですね。
一年中、当たり前のように食卓に登場する豆腐。
あまりにも身近な食材ですが、薬膳の視点から見てみると、ちょっと面白い特徴があります。
豆腐は、薬膳では**「寒」**の性質を持つ食材とされています。
では、寒い季節には食べないほうがいいのでしょうか?
今回は、そんなところから豆腐を見てみましょう。
🌿 豆腐 ひと目メモ
食材名:豆腐
五性:寒
五味:甘
帰経:脾・胃・大腸
ポイント:体の熱を冷まし、潤いを補う食材として考えられています
こんな日に:暑さを感じるとき、口や喉の渇きが気になるときなど
いつもの食べ方:冷奴、湯豆腐、汁物、炒め物、焼き物、揚げ物、和え物など
※五性・五味・帰経は、中医学・薬膳で食材の性質を捉えるときに使われる考え方です。
豆腐は「寒」の食材
薬膳では、豆腐は「寒」に分類されます。
ここでいう「寒」は、豆腐が冷蔵庫に入っているから冷たい、という意味ではありません。
食材そのものが持つ性質を、薬膳では「寒・涼・平・温・熱」などに分けて考えます。
これまで食材図鑑では、
大葉やみょうが、しょうがの「温」。
お米の「平」。
醤油の「寒」。
と見てきました。
そして豆腐も「寒」。
こうして身近な食材を並べてみると、普段の食卓にはいろいろな性質を持ったものが自然に組み合わされていることが分かります。
豆腐は「潤す」食材でもあります
豆腐には、薬膳で**「清熱生津潤燥(せいねつしょうしんじゅんそう)」**という働きがあるとされています。
難しい言葉ですね。
簡単にいうと、体にこもった余分な熱を冷まし、潤いを補うという考え方です。
暑い日に冷奴がおいしく感じられるのも、なんだか納得してしまいます。
でも、
「豆腐は熱を冷ますから、暑い日にたくさん食べよう」
ということではありません。
薬膳で食材の性質を知るのは、「たくさん食べるため」ではなく、その日の自分や季節に合わせて食べ方を考えるため。
そのくらいに捉えておきたいですね。
寒い日は豆腐を食べないほうがいい?
では、寒性の豆腐は冬には食べないほうがいいのでしょうか。
そんなことはありません。
ここで考えたいのが、**「どう食べるか」**です。
暑い日なら、冷奴。
肌寒くなってきたら、湯豆腐やお味噌汁。
同じ豆腐でも、季節によって食べ方を変えられます。
さらに、寒さや冷えが気になるときには、温性の食材を一緒に使うという考え方もあります。
そこで思い出すのが、これまで食材図鑑に登場した薬味たちです。
冷奴の薬味にも意味がある?
豆腐に、
大葉。
みょうが。
しょうが。
そして醤油を少し。
いつもの冷奴ですね。
でも食材図鑑で見てきた五性を並べると、
豆腐:寒
大葉:温
みょうが:温
しょうが:温(微温)
となります。
「冷奴には薬味をのせるもの」と何気なく食べていた組み合わせが、薬膳の視点から見るとまた違って見えてきます。
もちろん、
「寒性の豆腐には、必ず温性の薬味を合わせなくてはいけない」
というルールではありません。
今日は暑いかな。
少し冷えているかな。
今日は何をのせたらおいしいかな。
食材を組み合わせる楽しさも、薬膳のひとつ。
そう思うと、いつもの冷奴もちょっと面白くなります。
冷奴と湯豆腐、どちらにする?
同じ豆腐でも、
暑い日は冷奴。
寒い日は湯豆腐。
昔から、ごく自然に食べ分けていますよね。
薬膳を知ったからといって、毎日の食事を難しく考える必要はありません。
季節やその日の体調に合わせて、調理方法や組み合わせを変える。
実は私たちは、そんなことを普段の食卓ですでにやっているのかもしれません。
🥕 栄養のことも少しだけ
ここからは薬膳とは分けて、現代の栄養学から豆腐を見てみましょう。
豆腐は大豆から作られ、たんぱく質や脂質、カルシウムなどを含んでいます。
そして、ひとくちに豆腐といっても、木綿豆腐と絹ごし豆腐では製造方法が違います。
木綿豆腐は、いったん凝固させた豆腐を崩して圧搾・成型して作ります。
一方、絹ごし豆腐は豆乳と凝固剤を型の中で混ぜ、そのまま全体を固めて作ります。
そのため、含まれる栄養成分にも違いがあります。
さらにカルシウムやマグネシウムなどの量は、豆腐を固めるために使われる凝固剤によっても変わります。
「木綿と絹、どちらが体にいい?」
と決めるより、
料理や好み、その日の食べ方に合わせて選ぶ。
それでいいのではないでしょうか。
食材は、一つだけで見なくてもいい
豆腐は「寒」。
しょうがは「温」。
だからといって、
寒は悪くて、温はいい。
ということではありません。
暑い日もあれば、寒い日もある。
元気な日もあれば、少し疲れている日もある。
そして食卓には、一つではなく、いくつもの食材が並びます。
「この食材は何性?」で終わらず、「今日はどう食べよう?」まで考えてみる。
食材図鑑を、そんなふうに使ってもらえたらいいなと思っています。
🌿 今日の食卓で、一つだけ
今日、豆腐を食べるなら、
冷奴にしますか?
それとも、温かくして食べますか?
大葉をのせようかな。
みょうがもいいな。
しょうがを少し添えようかな。
いつもの豆腐を見ながら、その日の自分に聞いてみる。
そんな小さなところから、今日の養生を始めてみませんか。
参考図書
この記事を書くにあたり、薬膳における食材の性質や働きについて、以下の書籍を参考にしました。
ブクログ 参考図書を集めた本箱


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