お米|毎日食べるごはんを、薬膳の視点から見てみよう
朝ごはんに、お茶碗一杯。
お昼には、おにぎり。
夜には、炊きたてのごはん。
あまりにも身近すぎて、「お米ってどんな食材?」なんて、普段はあまり考えませんよね。
薬膳というと、特別な食材を使った料理を思い浮かべるかもしれません。
でも、毎日食べているお米も、ちゃんと薬膳の食材のひとつ。
今回は、いつものごはんを薬膳の視点から眺めてみましょう。
🌿 お米 ひと目メモ
食材名:粳米(こうべい・うるち米)
五性:平
五味:甘
帰経:脾・胃・肺
旬:秋
ポイント:薬膳では、脾胃をいたわり、元気を補う食材として考えられています
こんな日に:疲れを感じるとき、食欲がいまひとつのときなど
いつもの食べ方:ごはん、おにぎり、お粥、雑炊など
※五性・五味・帰経は、中医学・薬膳で食材の性質を捉えるときに使われる考え方です。
毎日食べるお米は「平」
これまで食材図鑑で見てきた、
大葉、みょうが、しょうが。
どれも五性は「温」でした。
では、お米は?
薬膳では**「平」**に分類されます。
平性とは、温める性質にも冷ます性質にも大きく偏らない食材のこと。
毎日のように食べているお米が「平」というのは、なんだか面白いですね。
「体を温めるものがいい」
「体を冷ますものがいい」
と、どちらか一方だけを選ぶのではなく、こうした穏やかな性質を持つ食材もあります。
薬膳では、お米は「元気を補う」食材
薬膳では、お米には**「補中益気(ほちゅうえっき)」**という働きがあるとされています。
漢字が並ぶと、ちょっと難しく感じますね。
簡単にいうと、体の中心となる「脾」の働きを助け、元気を補うという考え方です。
もう一つが、「健脾和胃(けんぴわい)」。
こちらも難しそうですが、「脾や胃をいたわり、食べたものを受け入れやすい状態に整えていく」と考えると、少し身近になります。
疲れているとき。
食欲があまりないとき。
そんな日に、ごちそうよりも白いごはんやお粥が食べたくなることはありませんか?
昔から食べてきたものと、薬膳の考え方。
重ねて見てみると、おもしろいですね。
「甘」は、お砂糖の甘さとは少し違います
お米の五味は**「甘」**です。
「ごはんって、そんなに甘い?」
と思うかもしれません。
薬膳でいう五味の「甘」は、砂糖やお菓子のような強い甘さだけを指すものではありません。
穀類やいも類などにも「甘」に分類される食材があります。
よく噛んでごはんを食べていると、ほんのり甘みを感じることもありますね。
いつものごはんを、今日は少しゆっくり味わってみる。
それだけでも、食材を見る目が少し変わるかもしれません。
ごはんだけじゃない。「お粥」という食べ方
お米は、普通に炊いて食べるだけではありません。
薬膳の資料でも、調理方法として**「炊く」「粥」**が挙げられています。
食欲がないときや、なんとなく胃が重いとき。
いつものごはんではなく、お粥にしてみる。
水分を多くして、やわらかく炊くことで、いつものお米がまた違った一皿になります。
体調に合わせて、同じ食材でも調理方法を変えてみる。
これも、毎日の養生に取り入れやすい考え方ですね。
お米は「糖質」だけ?
最近は、お米というと「糖質」という言葉と一緒に語られることが増えました。
もちろん、現代の栄養学では、お米は炭水化物を多く含み、エネルギー源になる食品です。
でも、薬膳では少し違った角度からお米を見ています。
五性は「平」。
五味は「甘」。
そして、脾・胃・肺に帰経する食材。
どちらが正しい、ということではありません。
同じお米でも、見る角度によっていろいろな姿が見えてくる。
そんなふうに考えると、毎日食べているごはんが少しおもしろくなってきます。
🥕 栄養のことも少しだけ
ここからは薬膳とは分けて、現代の栄養学から見てみましょう。
お米には炭水化物を中心に、たんぱく質やミネラルなども含まれています。
精米の程度によって、含まれる栄養素にも違いがあります。
玄米と白米では栄養成分が異なりますが、
「玄米だからいい」
「白米だからよくない」
と単純に決めるのではなく、自分の体調や食べやすさ、毎日の食事とのバランスを考えて選びたいですね。
🌿 今日の食卓で、一つだけ
今日は、ごはんをひと口、
いつもより少しゆっくり味わってみませんか?
何か特別な食材を買わなくてもいい。
新しい料理を作らなくてもいい。
毎日食べているお米を、
「薬膳では、こんなふうに考えるんだ」
と知って食べてみる。
それだけでも、いつもの食卓が少し違って見えるかもしれません。
薬膳は、特別なものではなく、
毎日のごはんの中にもある。
そんなことを、お米は教えてくれる食材なのかもしれません。
参考図書
この記事を書くにあたり、薬膳における食材の性質や働きについて、以下の書籍を参考にしました。
ブクログ 参考図書を集めた本箱

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