かぼちゃ|ほっこりした甘さを、薬膳の視点から
秋になると、食卓に登場することが増えてくるかぼちゃ。
煮物やスープ、サラダなど、いつもの料理にも使いやすい食材ですよね。
ほっこりとした甘さがおいしいかぼちゃですが、薬膳ではどんな食材として考えられているのでしょう。
今回は、身近な「かぼちゃ」を薬膳の視点から見てみます。
かぼちゃの五性・五味・帰経
かぼちゃ(南瓜)は、
五性:温
五味:甘
帰経:脾・胃
とされています。
「温」は、体を温める性質をもつ食材。
「甘」は、薬膳では不足しているものを補ったり、緊張をゆるめたりする性質があると考えられています。
そして、かぼちゃが入る「脾・胃」は、薬膳では食べたものを受け取り、消化吸収して、体を支えるものへと変えていくことと深く関わります。
薬膳では「補気健脾」
かぼちゃの働きとして、参考にしている『薬膳素材辞典』には**「補気健脾(ほきけんぴ)」**と記載されています。
「補気」は気を補うこと。
「健脾」は脾の働きを健やかにすること。
薬膳では、疲れやすかったり、食欲が落ちていたりするときなどに、かぼちゃのような「甘」の食材を取り入れる考え方があります。
夏の疲れが少し残っているのに、季節はだんだん秋へ。
そんな時期の食卓にも取り入れやすそうですね。
煮物だけじゃない、かぼちゃの食べ方
かぼちゃというと、まず思い浮かぶのは煮物でしょうか。
参考書には、
焼く・蒸す・煮る・揚げる・炒める
と、いろいろな調理法が紹介されています。
甘辛く煮るだけでなく、蒸してサラダにしたり、スープにしたり、薄く切って焼いたり。
そして先日、私はちょっと違う食べ方を試してみました。
かぼちゃとサバ缶を、クミンやコリアンダーなどのスパイスと一緒に炒めてみたんです。
「かぼちゃとサバ?」
と思いましたが、これが意外と合いました。
かぼちゃの甘みにサバの旨みが加わり、黒こしょうがいいアクセントに。
いつもの食材でも、組み合わせを少し変えると新しい一皿になるんですね。
このレシピは、もう少し整えて「ゆるり簡単薬膳レシピ」としてご紹介したいと思っています。
🥕 栄養のことも少しだけ
スーパーでよく見かける西洋かぼちゃには、β-カロテン、ビタミンC、カリウム、食物繊維などが含まれています。文部科学省の食品成分データでは、生の西洋かぼちゃ100gあたり、β-カロテン2,500μg、ビタミンC43mg、カリウム430mg、食物繊維3.5gとなっています。
加熱した場合でも成分がすべてなくなるわけではなく、ゆでた西洋かぼちゃにもβ-カロテンやビタミンC、食物繊維などが含まれています。
薬膳の「温・甘、脾・胃」という見方と、現代栄養学から見たかぼちゃ。
同じ食材を違った方向から眺めてみるのも面白いですね。
食べるときに少し気をつけたいこと
参考にしている『薬膳素材辞典』では、かぼちゃは食べるとガスが出やすくなることがあるため、葱や陳皮などと一緒に用いる方法が紹介されています。
また、体質やそのときの状態によっては、たくさん食べればよいというものでもありません。
薬膳で大切なのは、
「体にいい食材だから食べる」ではなく、今の自分にはどうかな?と考えてみること。
いつものかぼちゃも、そんなふうに眺めてみると、また違った食材に見えてきます。
今日は煮物ではなく、焼いたり炒めたり。
いつものかぼちゃで、ちょっとだけ冒険してみませんか?🌿
参考図書
辰巳洋 主編『改訂新版 薬膳素材辞典―健康に役立つ食薬の知識』源草社


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