さば|いつもの青魚を、薬膳の視点から
焼き魚にしたり、味噌煮にしたり。
さばは、私たちの食卓ではとても身近な魚です。
最近では、骨まで食べられて保存もしやすい「サバ缶」を常備している方も多いのではないでしょうか。
私も先日、サバ缶を使ってスパイスカレーを作ってみました。
そして今度は、かぼちゃと一緒にスパイス炒めに。
「さばって、こんな食べ方もできるんだ」
いつもの食材だからこそ、ちょっと違う食べ方を見つけるのも楽しいものです。
今回は、そんな「さば」を薬膳の視点から見てみます。
さばの五性・五味・帰経
さば(鯖)は、
五性:平
五味:甘
帰経:胃・肺
とされています。
「平」は、寒性・熱性のどちらにも大きく偏らない性質。
季節を問わず、普段の食卓に取り入れやすい食材の一つです。
そして「甘」は、薬膳では不足しているものを補ったり、体をゆるやかに整えたりする性質があると考えられています。
薬膳では「補肺健脾」
参考にしている『薬膳素材辞典』では、さばの働きとして**「補肺健脾(ほはいけんぴ)」**と記載されています。
「補肺」は肺を補うこと。
「健脾」は、食べたものから体に必要なものをつくる「脾」の働きを健やかにすることです。
薬膳では、さばは肺や脾を補う食材として考えられているんですね。
旬は秋から冬。
夏の暑さが少しずつ落ち着き、食卓も秋へと変わっていくころに旬を迎える魚というのも興味深いところです。
焼くだけじゃない、さばの楽しみ方
参考書では、さばの調理法として、
焼き魚・味噌煮・揚げ物・しめ鯖
などが紹介されています。
どれもおなじみの食べ方ですね。
でも最近、私はもう少し冒険しています。
きっかけになったのが、サバ缶のスパイスカレー。
「たんぱく質を摂らなきゃ」と考えると少し面倒に感じる日でも、サバ缶なら缶を開けるだけ。
そしてスパイスと合わせてみたら、サバというよりツナのような感覚で食べられて、思った以上においしかったんです。
そこで今度は、
かぼちゃ+サバ缶+クミン+コリアンダー+黒こしょう
という組み合わせにも挑戦してみました。
こちらもサバの臭みはほとんど気にならず、かぼちゃの甘さとサバの旨みに、黒こしょうがいいアクセントになりました。
「さば=味噌煮」だけじゃない。
いつもの食材で少し冒険してみると、毎日のごはんも楽しくなります。
🥕 栄養のことも少しだけ
さばは、たんぱく質や脂質を含む青魚です。
特に脂質には**EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)**といったn-3系多価不飽和脂肪酸が含まれています。
また、ビタミンDやビタミンB群なども含まれています。
ここで薬膳と現代栄養学を混同しないことも大切です。
薬膳では「平・甘」「胃・肺」「補肺健脾」という視点から。
現代栄養学では、たんぱく質や脂質、ビタミンなどの栄養成分から。
同じ「さば」を違った角度から見てみると、普段何気なく食べている魚にもいろいろな顔が見えてきます。
生のさばとサバ缶は同じ?
今回使ったのは、生のさばではなく水煮のサバ缶です。
食材図鑑で紹介している五性・五味・帰経は「鯖」についてのもの。
加工されたサバ缶について、そのまますべて同じと断定するのではなく、**「さばを手軽に食卓へ取り入れる方法の一つ」**として考えておきたいと思います。
サバ缶は保存がきき、下処理も必要ありません。
疲れていて魚を調理する気になれない日でも、缶を開ければすぐ使える。
そんな手軽さも、毎日の養生を続けるためには大切なのではないでしょうか。
身近な魚で、ちょっとだけ冒険を
体によさそうだからと、無理をして食べる。
それでは、なかなか続きません。
「こんな食べ方もできるんだ」
「これ、おいしいからまた作ろう」
そんなふうに食べられるものが一つずつ増えていくほうが、私は好きです。
サバ缶カレーの次は、かぼちゃとサバ缶のスパイス炒め。
いつものさばで、今日はちょっとだけ冒険してみませんか?🌿
参考図書
辰巳洋 主編『改訂新版 薬膳素材辞典―健康に役立つ食薬の知識』源草社
「サバ缶を使って、こんな料理も作ってみました → サバ缶スパイスカレー」



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