大豆|いつもの食卓にある大豆を、薬膳の視点から
豆腐、納豆、味噌、きな粉。
毎日の食卓を見渡してみると、私たちはいろいろな形で大豆を食べています。
あまりにも身近なので、「今日は大豆を食べよう」と意識することは、あまりないかもしれませんね。
でも薬膳の視点から見てみると、大豆にもきちんと性質や働きがあります。
煮豆だけではない、身近な大豆。
今日は少しだけ、薬膳の視点から見てみましょう。
大豆の五性・五味・帰経
大豆は薬膳では、
五性:平
五味:甘
帰経:脾・胃・大腸
とされています。
収穫時期は秋。
薬膳では種子の部分を用います。
「平」は、体を温めるほうにも冷ますほうにも大きく偏らない性質です。
五味の「甘」は、砂糖のような甘さだけを意味するものではありません。
薬膳では、体を補ったり、緊張をゆるめたりする性質と関わる味として考えられています。
大豆は、日々の食事の中に取り入れやすい食材のひとつといえそうです。
薬膳で考える大豆の働き
大豆の働きとして、薬膳では、
健脾利尿(けんぴりにょう)
益胃潤燥(えきいじゅんそう)
とされています。
「健脾」とは、薬膳で食べたものを消化し、必要なものを体に取り込む働きに関わる「脾」を健やかにするという考え方。
「利尿」は、体の余分な水分を外へ出すこと。
「益胃潤燥」は、胃を補いながら乾燥を潤すという考え方です。
難しい言葉が並びますが、
食べたものをきちんと受け取り、水分とのバランスを整える。
そんなイメージで捉えると、少し分かりやすくなります。
大豆は、いろいろな姿で食卓へ
大豆のおもしろいところは、そのまま食べるだけではないこと。
煮豆はもちろん、
豆腐、納豆、味噌、醤油、きな粉、豆乳、油揚げ、高野豆腐など。
姿を変えながら、私たちの食卓に登場します。
「大豆を食べなくちゃ」と考えなくても、お味噌汁に豆腐を入れたり、朝ごはんに納豆を添えたり。
すでに普段の食事の中で、自然に大豆を取り入れている方も多いのではないでしょうか。
豆腐については、食材図鑑でも薬膳の視点からご紹介しています。
高野豆腐も、ちょっと違う食べ方で
高野豆腐というと、私はやっぱり煮物を思い浮かべます。
でも、せっかくならいつもと違う食べ方も試してみたい。
そこで今度、戻した高野豆腐を細かくして、**ひき肉のように使った「キーマ風」**を作ってみることにしました。
本当においしくできるのかは、まだわかりません(笑)。
実際に作って食べてみて、
「おいしいから、また作ろう」
と思えたら、ゆるり薬膳部のレシピとしてご紹介します。
体によさそうだから採用、ではなく、ちゃんとおいしいこと。
これも、ゆるり薬膳部では大切にしていきたいと思っています。
🥕 栄養のことも少しだけ
大豆は、植物性のたんぱく質を含む食材です。
そのほか、食物繊維やカリウム、カルシウム、鉄なども含まれています。
また、大豆に含まれる成分として、大豆イソフラボンもよく知られています。
一つの食材だけで健康を考えるのではなく、野菜や魚、肉、穀類など、いろいろな食品と組み合わせながら取り入れていきたいですね。
大豆は、たくさん食べればいい?
体によいと聞くと、
「それなら、たくさん食べたほうがいいのかな?」
と思ってしまいますが、そうとも限りません。
今回参考にした薬膳素材辞典にも、大豆は消化しにくいため、食べすぎに注意するという記載があります。
特に、お腹が張りやすかったり、食べたあとに重さを感じたりするときは、量を控えめにしてみるのも一つです。
ここでも大切にしたいのは、
食べる量ではなく、消化できる量。
「体によい食材だから」と無理に増やすのではなく、自分のお腹の具合を見ながら楽しんでみましょう。
今日の食卓で、一つだけ
大豆を取り入れるために、特別な料理を作らなくても大丈夫です。
お味噌汁に豆腐を入れる。
納豆を一品添える。
きな粉を少し使ってみる。
そして、ときには高野豆腐を煮物ではない料理にしてみる。
身近な食材だからこそ、いろいろな楽しみ方ができそうです。
体にいいから食べるのではなく、
おいしいから、また作ろう。
そんな大豆との付き合い方もいいですね。
今日の食卓で、一つだけ試してみませんか?🌿
参考文献
辰巳洋 主編『改訂新版 薬膳素材辞典―健康に役立つ食薬の知識』源草社



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