長芋って、生と加熱で同じ食べ物?
長芋を切っていて、ふと思いました。
これ、本当に同じ食材?
細く切れば、シャキシャキ。
すりおろせば、とろ〜り。
フライパンで焼けば、表面はこんがり、中はほっくり。
煮れば、さらにやわらかくなる。
同じ一本の長芋なのに、調理法を変えるだけで、食感がこんなに変わります。
「長芋は体にいいから食べましょう」
だけでは、ちょっともったいない。
今日は、
“今の自分なら、長芋をどう食べる?”
そんなところから考えてみます。
薬膳で見る長芋・山芋
薬膳では、山芋は一般に、
五性:平
五味:甘
帰経:脾・肺・腎
とされています。クラシエ(Kracie)の公式ウェブサイト 株式会社クラシエ
「平」は、温める・冷やすのどちらかに大きく偏らない性質。
そして薬膳では、消化吸収に関わる「脾」、呼吸や潤いと関わる「肺」、成長や加齢など生命力の土台と考える「腎」と関係する食材として捉えられています。
山芋が生薬として使われる場合は、**山薬(さんやく)**と呼ばれます。クラシエ(Kracie)の公式ウェブサイト 株式会社クラシエ
ここまでなら、普通の食材図鑑。
でも、今回はここからです。
シャキシャキ? とろとろ? ほっくり?
長芋のおもしろさは、食べ方を選べること。
今日は、さっぱり食べたい
短冊切りにして、シャキシャキ。
酢の物や和え物にすれば、火を使わず一品できます。
忙しくて、あまり料理したくない
すりおろして、とろろに。
ご飯にかけるだけでなく、汁物に加えたり、ほかの食材と和えたりしても。
冷たいとろろが今日はちょっと重い
そんな日は、焼いてみる。
厚めに切ってフライパンで焼くと、生のシャキシャキとは別物。
ほっくりとした食感になり、温かい一品として食べられます。実際、薬膳資料でも焼いた山芋は、生とは違った食感・甘みを楽しむ調理例として紹介されています。クラシエ(Kracie)の公式ウェブサイト 株式会社クラシエ
胃腸が疲れている気がする
「山芋は胃腸によいから、生でもたくさん食べよう」ではなく、
今日はどのくらいなら心地よく食べられそう?
と考えてみる。
加熱してやわらかくしたものを少量から試すのも一つの選択肢です。
ここは「生より加熱が正解」とはしません。
同じ食材でも、量・温度・食感・一緒に食べるものによって、自分が感じる食べやすさは違うからです。
「一番体にいい食べ方」を探さなくてもいい
調べていて、ここは大切だと思いました。
薬膳では山芋を「甘・平、脾・肺・腎」とする資料が複数ありますが、家庭料理としての長芋について「生ならこの効能、加熱したらこの効能」と単純に分けられるほど根拠は明確ではありません。クラシエ(Kracie)の公式ウェブサイト 株式会社クラシエ
だから、
生が一番。
いや、加熱したほうがいい。
と決めなくてもいい。
それより、
今日の私は、何ならおいしく食べられる?
と考えてみる。
これも「自分に合った食べ方」を見つける一つの方法だと思います。
栄養のことも少しだけ
現代栄養学の情報を加える場合は、文部科学省の食品成分データベースを基準にしていきましょう。現在は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年に対応しています。食品成分データベース
ここは従来の食材図鑑と同様、成分をずらっと並べる記事にはしません。
薬膳と現代栄養学は同じものではないので、
「薬膳ではこう捉える。一方、現代の食品成分ではこんな特徴がある」
と分けて紹介する形がよいと思います。
今日の自分なら、どう食べる?
長芋を見つけたら、
「体にいいから食べなくちゃ」
ではなく、
今日は、シャキシャキ?
とろとろ?
それとも、ほっくり?
と考えてみる。
同じ食材でも、食べ方は一つではありません。
その日の体調や気分、時間に合わせて選んでみる。
食べる量と消化の関係については、こちらの記事でもお話ししています。
そして、
「今日はこれがおいしかった」
を覚えておく。
そんな小さな積み重ねも、ゆるり養生なのだと思います。
ほかの身近な食材や、毎日の食べ方については「食養生の小径」でも紹介しています。




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