朝、窓を開けたら、半袖ではちょっと肌寒い。
「ああ、秋になったんだな」
そう思いながら冷蔵庫を開けると、そこには冷たい飲み物が並んでいる。
着るものは少しずつ秋物になってきたのに、食べるものや飲むものは、まだ夏のまま。
なんだかおかしいですよね(笑)。
でも、季節が変わったからといって、私たちの暮らしが一斉に切り替わるわけではありません。
カレンダーは秋。でも、暮らしの中にはまだ夏が残っている。
そんな時期に、ちょっと考えてみたいことがあります。
季節の変わり目って、いつからいつまで?
「季節の変わり目には体調に気をつけましょう」
よく耳にする言葉です。
でも、季節の変わり目って、いったいいつなんでしょう?
二十四節気では、立秋、秋分、寒露、霜降……と、季節の節目が細かく分けられています。
ただ、立秋になったからといって、翌朝から急に涼しくなるわけではありません。
暑い日が続いたかと思えば、朝晩だけ肌寒くなる。
同じ気温でも、寒いと感じる人もいれば、まだ半袖で平気という人もいます。
つまり、季節の変わり目は、カレンダーの一日で決まるものではないんですね。
ちゃんと休んでいるのに疲れが抜けない|50代からの「なんとなく重い」を考える
「季節のせい」にする前に
朝起きたら、なんとなく体が重い。
「ああ、季節の変わり目だからかな」
そんなふうに思うこと、ありませんか?
もちろん、気温や湿度などの変化が体調に関わることはあります。
でも、ちょっと待って。
昨日はどうだったでしょう。
昨日も体が重かった?
それとも、今日だけ?
前の晩はよく眠れた?
夕食が遅くなったり、いつもより忙しかったりしなかった?
こうして振り返ってみると、同じ「体が重い」でも、いろいろな可能性が見えてきます。
ここで大切なのは、原因を一つに決めることではありません。
昨日と今日、何が違ったのかを探してみること。
変わっているのは、気温だけじゃない
季節の話になると、どうしても気温に目が向きます。
でも、変わっているのはそれだけではありません。
日が暮れるのが早くなったり、空気が乾いてきたり、朝の明るさが変わったり。
そして、私たちの暮らしにも少しずつ変化が出てきます。
例えば、
- 朝、布団から出るのに時間がかかるようになった
- 冷たい飲み物を以前ほど欲しくなくなった
- 食べたいものが変わってきた
- 肌や喉の乾燥が気になる
- 眠る時間や目覚め方がいつもと違う
もちろん、これらがすべて季節による変化とは限りません。
だからこそ、「秋だからこうなる」と決めつけないことも大切です。
中医学の養生は、季節に合わせるだけ?
中医学には、季節や自然環境の変化に合わせて暮らしを調整するという考え方があります。
秋は、夏の暑さから少しずつ離れ、乾燥や冷えが気になり始める季節。
伝統的には「燥(そう)」という乾燥の性質や、「肺」との関わりが重視されます。
ここでいう「肺」は、現代医学の肺という臓器だけではなく、中医学独自の働きの捉え方です。
でも、秋になったら誰もが同じ養生をすればいい、ということではありません。
まだ暑さを感じる人もいれば、朝晩の冷えが気になる人もいる。
乾燥が気になる人もいれば、食欲や胃の調子の方が気になる人もいるでしょう。
「秋だから何をするか」よりも、「今の自分には何が合いそうか」。
そこから考えてみたいと思います。
何か一つ、変えてみる
例えば、朝だけ肌寒く感じるようになった。
それなら、薄手の上着を一枚用意してみる。
冷たい飲み物を飲んだあと、お腹が冷える感じがする。
それなら、一杯だけ常温や温かいものに替えてみる。
食後に重さを感じる。
それなら、食べる量を少し調整したり、生野菜を温野菜に替えたりしてみる。
最近、眠り方が変わってきた。
それなら、寝室の温度や寝具が今の季節に合っているか確かめてみる。
どれも、特別なことではありません。
ただ、ここで終わりにしないでほしいのです。
変えてみたら、そのあとが大事
朝の飲み物を温かいものに替えてみた。
さて、そのあとどうだったでしょう。
「今日はお腹が楽だった気がする」
それなら、もう少し続けてみてもいい。
「特に変わらなかった」
それなら、それも一つの発見です。
一度試しただけで、合う・合わないを決める必要はありません。
例えば、温かい飲み物に替えた翌日、調子がよかったとしても、それだけが理由とは限りません。
前の晩によく眠れたからかもしれないし、食事の量が違ったからかもしれない。
逆に、変えてみても何も変わらないことだってあります。
だから、一つ変えたら、その結果を少し見てみる。
これを繰り返すことで、自分にとって過ごしやすい方法が少しずつ見つかるかもしれません。
養生は、決められた正解を探すことだけではないと思うのです。
なお、強い症状や長引く不調がある場合は、季節や生活習慣のせいと決めつけず、医療機関で相談してくださいね。
季節に自分を合わせるのではなく
「秋になったから、そろそろ○○しなくちゃ」
そんなふうに考えると、養生まで仕事のようになってしまいます。
でも、本来はもっと気軽でいいはず。
朝が寒くなったから、上着を一枚。
冷たいものが重く感じるから、今日は温かいもの。
眠りにくいから、寝具を少し調整してみる。
季節に合わせて決められたことをこなすのではなく、季節の変化をきっかけに、自分の暮らしを少し見直す。
それくらいが、ちょうどいいのではないでしょうか。
「なんとなく不調」が続くとき|体質と季節から考える、がんばらない整え方
今日のゆるり養生
今日、昨日までと違うことを一つ探してみませんか。
朝の空気でも、食べたいものでも、眠り方でも。
何か見つかったら、暮らしの中で一つだけ変えてみる。
そして、明日。
「どうだった?」
と、自分に聞いてみる。
季節の変わり目に必要なのは、何かをたくさん始めることではなく、そんな小さな確認なのかもしれません。
無理なく、少しずつ。
今日も、ゆるりと。


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